「資産運用を始めようと思いますが、NISAやiDeCoなど、どれを選べばいいのか、教えてください」
よくいただく質問のトップ5に入るものです。
結論から申しますと、
「全部活用しても、老後資金をためるには足りないくらいです!」
とお答えしています。
全部!?
では実際にはどういうことなのか、解説していきます。
まず、ご質問者の意図は、
「各種制度で一番得する or 損しないのはどれか?」
という意味合いである場合がほとんどです。
ここで言う「得する or 損しない」というのは、
優遇税制のことを指している場合がほとんどです。
本当は、
「どれが一番高い運用効率(運用益利回り)が得られるのか?」
であるべきなのですが…
では、税制優遇の観点から、
複数の制度・商品をみていきましょう。
(1)NISA
NISAは5年間の運用益が非課税となるもので、投資金額そのものが所得控除にはなりません。新規投資は2023年までで終了の予定です。
(※非課税投資枠(非課税投資額)は、」一般NISAは年間120万まで、ジュニアNISAは年間80万円まで、つみたてNISAは年間40万円までです。)
制度の詳細は省きますが。
非課税投資枠が一番大きい一般NISAの場合、
1年に最大120万円までNISA投資ができますが、2023年までですので、2020~2023年だとあと4年間新規投資できます。
つまり
NISA 年額1,200,000万円×4年=4,800,000円
に対する運用益が非課税になるという制度です。
この間、運用で利益がでるかどうかは別問題ですが、運用益がでた場合は非課税の恩恵を受けられます。
では、老後資金は480万円で安泰ですか???
(2)iDeCo
iDeCoは、毎月の掛金が所得控除され、更に運用益が非課税であり、運用益がそのまま再投資されます。
ただし、受取時には公的年金等控除もしくは退職所得控除を超える部分には通常課税されます。
一般的なサラリーマンや主婦の方が投じられる掛金は月額23,000円が上限です。
そこで40歳→60歳までiDeCoを活用してつみたてたとすると、
iDeCo 月額23,000円×20年=5,520,000円
この掛金に対して所得税と住民税の控除により年間約24,000円が年末調整や確定申告で還付されます。
上記の例のように20年掛け続けたなら、元本とは別に480,000円が戻ってくるということです。
とはいえ、老後資金としては552万円で安泰ですか?
(3)個人年金保険(民間保険会社商品)
個人年金保険料控除という制度があります。
これは毎月1万円ずつのつみたてをすると保険会社運用して利息に相当するものと配当をつけて満期金を支払ってくれるものです。
控除対象額や商品設計を考慮すると、月額10,000円の掛金ということになります。
この場合、40歳→60歳までつみたてると、
個人年金保険 月額10,000円×20年=2,400,000円
この掛金に対して所得税と住民税の控除により年間約8,000円が年末調整や確定申告で還付されます。
上記の例のように20年掛け続けたなら、元本とは別に160,000円が戻ってくるということです。
とはいえ、老後資金としては240万円で安泰ですか?
もうお気づきでしょうか?
優遇税制で得をするかどうか、と、必要な資産形成ができるか、は、別問題だということです。
ですが優遇税制も魅力的ですので、
「全部です」
とお答えしています。
この場合、税制優遇があるNISA・iDeCo・個人年金保険の全てをすると
1252万円を元手に資産運用をしていることになります。
これでも実際には老後資金には全然足りませんよね。
老後、国からの年金がどれだけ受け取れるかは、人によって差がありますが、6万円~14万円程度だと言われています。
これは今の平均値ですので、20年・30年後などになるとどうなることやら。
なので老後資金を自力で準備しないといけない時代なのですが、
約1200万円の老後資金だと毎月10万円をつかった場合、10年で使い果たしてしまいます。
勘違いなさっている方が多いのですが、
税制優遇がある資産形成方法は、国が国民の自助努力を促すドアノック(きっかけ)商品として用意しているに過ぎない、
ということです。
国が「これだけで大丈夫」などと太鼓判を押している訳では全くないのです。
しかも、iDeCoや個人年金保険などの掛金の控除は、
老後資金に反映されるのではなく、毎年還付されて、現役時代の日常で消費に使ってしまうことを見逃してはなりません。
税控除という目の前のニンジンに気を取られて、
本来の目的である老後資金の形成・運用ができていないことは問題です。
老後資金は、
3000万円~5000万円は必要だと言われています。
(もちろん個人差はあります)
それが用意できなければ、
老後時代になって体力的に厳しくても、薄給でも働き続けないといけない、
という想像したくない未来がやってきます。
さぁ、今すぐ、
NISAもiDeCoも個人年金保険も始めましょう。
そして投資や運用に対する目を養って、
さらに老後資金までをも準備しましょう!
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