令和時代の損害保険会社選び

ファイナンシャルプランナー事務所・守錢堂が選ぶ損害保険会社は一択です。

この保険会社は、
多くの読者さんが予想しがちなネット損保ではありません。

まずは、
ファイナンシャルプランナー事務所・守錢堂がネット損保を否定する理由をお伝えしないと
あなたはモヤモヤして先を読みすすめられないかもしれません(笑)

なので、
先にネット損保を
ファイナンシャルプランナー事務所・守錢堂がおススメしていない理由をお伝えします。

勘違いしないでください!
ネット損保を現在選んでおられる読者さんの価値観を否定するものではありません!

つい先日、
私が昔に10年ほど勤めていた日産系列の販売ディーラーの某店舗に取材をしてきました。
私が勤務していた頃はネット損保がまだ駆け出しの頃で、
ディーラー店舗では酷い不評だったのですが、
それからまた10年以上経ち、
ネット損保の会社数もネット損保で自動車保険を契約なさる方の数も増えたので
どう変遷しているかが興味あったのです。

取材店舗は、
毎月50台前後の新車を販売する比較的規模の大きい店舗です。
毎月の車検到来台数ともなると200台にもなるそうです。
そんな某店舗で、大小あわせて毎月事故での入庫(修理)は平均30台前後だとのこと。
うち、自動車保険を使って修理するケースが2/3。
大手損保が7割、ネット損保が2割、その他損保が1割だとのこと。
私が在籍していた頃と比べるとネット損保の自動車保険を使って修理なさる比率は増えていますね。

そんな状況の某店舗で、
「ネット損保の対応や保険金支払い状況はどう?」と尋ねると
複数のスタッフが一斉に首を横にふる始末です。

どういうことか、勘のいい方はおわかりになったかもしれません。

もう少し掘り下げてみていきましょう。

自動車修理の現場スタッフが首を揃えて横にふる(ダメ出しをする)のは、
なぜなのでしょうか?聞いてみました。

・対応が遅い
・保険金支払いば悪い

この2点に尽きるそうです。

あれ?
って思いませんか?

「ネット損保の対応」については、
TVCMやネット損保のHPを見る限りでは契約者からは評判のいいからです。

どういうことでしょうか?

まず知っておかなければならないことは、ネット損保と他損保の人員・拠点体制の違いです。
ネット損保は他損保よりも少ない人員・拠点体制で業務にあたっています。
最も人員体制が充実しているT損保とくらべると、なんと1/50の少人数で対応しています。
このことがネット損保の保険料の安さに繋がっていることは言うまでもありませんが、
事故対応となると脆弱な人員・拠点体制は不利になります。
しかも、「顧客満足度」を優先し、契約者・被害者との対応を最優先とすると
それ以外の修理工場との連携やその他の調査には人員を割けないのが実情です。
拠点が少なく、修理工場に事故担当者は出向くこともできません。

こんなデータもあります。
ネット損保の事故担当者が1ヶ月にかかる事故件数は100~120件ほど、
その他損保の事故担当者は30~50件ほど。
効率化・生産性の観点ではネット損保が優秀です。
ですが同じ人間がする仕事です。
相当無理があり、保険契約者と被害者対応のみを優先するしかなく、
結果として修理工場やその他調査には人員も時間もろくに割けないのがネット損保なのです。

こんな話も聞きました。
ネット損保のアジャスター(事故担当者)は給料が良く、
その他損保から転職組が多いが、だいたい2~3年で(仕事がきつ過ぎて)辞めてしまい、
他損保に出戻りするケースが非常に多いのだと。

話をもとに戻します。

人員・拠点体制が脆弱なため、
修理工場にとっては、ろくに連絡もとれない対応の悪さが露呈しました。

では、
「保険金支払いが悪い」とはどういうことでしょうか?

これを理解するには、
まず保険会社にとって、
保険金を多く支払うと収益が悪化し、
保険金支払いを少しでも抑制できると収益が増える、
という構造を知っておく必要があります。

ネット損保の競争力の源泉は「保険料の安さ」です。
そのために人員・拠点体制を削り、経費削減を徹底しています。
保険金支払いも極限まで抑制するのがネット損保のセオリーです。

車のバンパーに傷がついてしまい、
修理しようとしたとします。

もちろん、せっかくかけている自動車保険を使って修理します!

あなたが修理工場に車を持って行きます。
修理の見積もりを依頼し、バンパー交換とバンパー補修を提案されます。
バンパー交換だと約10万円、バンパー補修だと3万円。
修理工場が自動車保険で直せると教えてくれたので、
手続き開始をお願いし、その日の夕方には新品のバンパーに交換されて修理から戻ってきました。

これが人員・拠点体制が充実しているT損保の場合です。

ネット損保の場合、
修理工場へ車を1週間半も預けて、(3万円の)バンパー補修されて戻ってきます。

ここには2つの問題点がよく表れています。
修理工場との連携・対応の悪さから1週間半もの時間を要しています。

また、
時間がかかっているのに、修理内容は「安い補修」です。

あなたも修理工場も
どうせ費用をかけて治すなら、
仕上がりの良さや経年変化のない質のいい修理を望まれることでしょう。

ですが保険契約は、
「原状回復」が約款記載事項(お客様との契約)なので、
修理してから3年後の経年劣化は知らん顔!
ネット損保では
「安い補修」で十分との判断になるわけです。

だんだんわかってきましたか?

保険には
安かろう悪かろう」が実在します。

何事もなければ、
保険料は安い方がいい!
事故に遭遇した際は、
良質な対応をしてほしい。

消費者の気持ちは痛いほどわかりますが、
両立できていない現状がある以上、
我々は「保険料が安いだけのネット損保」か
「保険料は割高に感じられるが、事故対応に強いT損保」か
を選ばなければなりません。

事故現場を自動車保険でも火災保険でもみてきたファイナンシャルプランナー事務所・守錢堂では、
ネット損保はおススメしません。
正確に言うと、まだおススメできません。

ここまでネット損保についてを書きましたが、
ファイナンシャルプランナー事務所・守錢堂が言う、
損害保険会社選びは一択だとはどういうことでしょうか?
それに、どの損害保険会社なのでしょうか?

東京海上日動火災保険株式会社

の一択です。

保険料、高いですよ!
人員・拠点体制は最も充実しています。

それに加えて、
「お客様をお守りする!」使命感が強いのがポイントです。

日本国内には、
東京海上日動火災保険㈱を含め、
銀行のメガバンクならぬ、メガ3というのが存在します。

このメガ3のシェアは損害保険業界の9割を占めるほど巨大です。

さらに、ここで重視すべきポイントは、
いかに会社・企業としてまとまっているか?
同じ方向に向かって進める会社なのかどうか?
ということです。

このメガ3は、シェア9割となるのに、
合併を繰り返して巨大企業となりました。
ご経験ある方もおられるかもしれませんが、
異なる会社がひとつになるのは物凄く大変なことです。
システム面やコスト面だけでなく、人的・文化的な点が最も大変で、
合併後の会社が本当の意味で「ひとつの会社」になるのは、10年では無理だと言われるくらいです。

メガ3のうち、

「損害保険ジャパン株式会社」は2014年の合併が最後であるが2020年に合併先の社名をそぎ落とす社名変更を実施している。

「MS&ADインシュアランスグループホールディングス株式会社」は2010年が最後の合併ではあるが
あいおい損害保険株式会社、ニッセイ同和損害保険株式会社、三井住友海上グループの三社が合併するという離れ業を行っている。

それらと比べて、
東京海上日動火災保険㈱は最後の合併が2004年と最も古く、
既に16年を経て、ひとつの強固な日本一の損害保険会社になったと
ファイナンシャルプランナー事務所・守錢堂ではみています。

こんな話もありました。

2011年の東日本大震災のときのことです。

通常、保険金のお支払手続きは、
①お客様(契約者)が保険会社に連絡
②契約者・保険会社立ち合いのもと現地調査
③保険金のお支払
となります。

ですが、
この2011年に東京海上日動がとった行動は違いました。
①震災発生翌日には、バイク(ホンダ・カブ)を50台調達し、
被災地域に現地調査社員を派遣し、先行して現地調査に着手。
②代理店がお客様(契約者)の安否確認と振込先ヒアリングを実施。
③最短スピードで地震保険の支払を実行
したのです。

それ以降、
台風や水害が多い日本において、
東京海上日動火災保険㈱は社内の人員配置にさらに柔軟性を持たせ危機対応力を上げています。

大規模災害にも対応できる人員・拠点配置は、
保険料を引き上げてしまい、
価格だけで選ぶ顧客からは選ばれなくなりますが、
いざという時に本当に役だてる会社、
日本ナンバー1の会社の対応実績は
ファイナンシャルプランナー事務所・守錢堂では評価に値すると考えています。

最近、
某ネット損保が割安な火災保険を発売しました。
大規模災害時には、全くコールセンターに電話がつながらなくなることでしょう。
そして少ない人員で住宅の現地調査までこなすと大規模災害の全ての案件を終えるには何年もかかることは必至です。

それを東京海上日動火災保険㈱なら、
即座に営業職・事務職までもをコールセンター要員にまわしてでも、
多くの保有回線でお客様からのお電話を受けて、
平然と半年で事故対応を終えてしまいます。

何のための保険なのかを考えれば、
まずネット損保という選択肢は
ファイナンシャルプランナー事務所・守錢堂においてはありえません。

余談ですが、
生命保険会社選びは、ある程度保険料も選択基準に含めてOKです。
もちろん、しっかり対応してくれる保険会社であれば、ですが。

生命保険は、支払われる保険金額が契約ではっきり決まっています。
死んだら1000万円とか、入院1日したら5000円など。

ですが損害保険は、
ひとつひとつの事故・災害が金額もまちまちです。
保険会社側の事情で過度な「原状回復」に固執されたら、保険金はあまり受け取れません。
「(お客様の)事故後の安心した生活を守る」意識をもつ余裕のある保険会社でなければと思います。

また、
これだけはっきりとした見解を示すFP事務所だからこそ、
そこには「東京海上日動火災保険㈱のちょっと高く感じる保険料くらい払ってやるよ。」
というお客様がお集りいただいていることも非常に嬉しく思います。
ありがとうございます。

※当記事はファイナンシャルプランナー事務所・守錢堂の私見であり、
みなさま個々人の価値観を否定するものではございません。
予めご容赦のほど、お願い申し上げます。

「令和時代の損害保険会社選び」へのコメント

コメントはありません

コメントを残す