コロナ禍とお金、そして保険?(その①)

猛威を振るう新型コロナウィルス感染症…

ここへきて、2度目の緊急事態宣言が発令される状況下で、
お客様からも新型コロナウィルス感染症と保険についての質問をよく受けるようになりました。

今回3回に渡って、
「コロナ禍とお金、そして保険?」と題して、
自分自身が新型コロナウィルス感染症に罹患してしまったケースで考えられることをご紹介します。

今回は…

<コロナ患者には宿泊施設の療養でも特例的に入院給付金が支払われています>

民間の医療保険は、病気やケガで入院や手術をした場合に、あらかじめ決められた入院給付金や手術給付金などが支払われます。
新型コロナウイルス感染症も、疾病(病気)に該当するため、万一、罹患して所定の入院や手術を受けた場合は、給付金の支払い対象になります。

ただし、入院給付金は、病気やケガで入院した場合に「1日あたり1万円」などが支払われるもので、その保険契約の内容が記載されている約款で定められている病院や診療所に入院しなければ給付を受けることはできません。

新型コロナウイスル感染症の治療では、医療崩壊を防ぐために、無症状の病原体保有者や軽症患者は、ホテルなどの宿泊施設や自宅で療養するケースも出ていますが、本来は、こうしたケースは給付金の支払い対象外となってしまいます。

ですが、今回は金融庁からの要請によって、医療機関以外の宿泊施設や自宅でコロナの療養をしている人も、特例的に入院給付金の支払い対象として取り扱ってもらえる措置が取られています。

万一、コロナに罹患した場合に、ホテルや自宅で療養していても、入院給付金をもらえれば、安堵感を得られるのは間違いないでしょう。
だが、医療保険に加入していないと、コロナになった時の医療費が支払えないかというと、そんな心配は無用です。

<指定感染症の医療費は公費負担、患者の自己負担は原則不要>

新型コロナウイルス感染症については、まだ分からないことも多いですが、これまでの調査・研究で感染しても無症状のままの人もいれば、重症化する人もいることは明らかになっています。

無症状ですめばよいが、肺炎の症状が出て重篤化すると、抗ウイルス薬の投与、集中治療室での人工呼吸器などによる治療が行わるようになり、医療費も高額になることが予想されます。

ただし、新型コロナウイルス感染症は、2020年1月28日の閣議で、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)」で定められている「指定感染症」に決定されました。
そのため、感染拡大を防ぐための医療の提供体制、医療機関による患者数の届け出のほか、医療費の負担についても、法律に基づいた運用が行われています。

指定感染症に定められると、都道府県知事は、患者に対して検査や入院の勧告、感染拡大を防止するための就労制限などを行えるようになります
(2020年10月9日の閣議で措置内容が見直され、24日から入院対象が重症化リスクのある高齢者や基礎疾患のある人に限定される予定)。

感染症の拡大防止のためとはいえ、強制的な入院は一時的にせよ個人の権利を制限することになってしまいます。
そのため、感染症法の第三十七条では、自治体の勧告や措置による入院の場合、治療にかかった一連の費用(検査、診察、医薬品、医学的処置、入院費など)は、公費負担にすることを定めており、原則的に患者の自己負担は求めないことになっています。

ただし、第三十七条の2で、患者やその配偶者などの扶養義務者が、入院費用を負担できると判断する場合は、その費用を患者に求めてもよいとしているため、自治体の多くは、所得の高い人に対しては、指定感染症であっても治療費に一定の自己負担を設定しているようです。

例えば東京都では、市町村民税の所得割(住民税のうち、収入に応じて決まる部分)が56万4000円を超える人は、月額2万円を限度とした一部負担金が設定されています。

このように高所得層には一定の自己負担はあるものの、決して高額ではありません。ほとんどの人は、コロナに感染して治療費そのものは高額になったとしても、そのすべてが公費で賄われるので、医療費の心配はないといえます。

また、会社員や公務員などで、被用者保険(企業や団体などに雇われて働く人のための健康保険)に加入している人は、新型コロナウイルスに感染して仕事を休むと、その間は傷病手当金を受け取ることができます。

 

次回は、その傷病手当金について見ていきます。

コロナ禍とお金、そして保険?(その②)

 

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